Lord Byron
Caroline

バイロンが登場する映画 レディー・カロライン Lady Caroline

Lady Caroline キャスト

バイロン卿が登場する映画 レディー・カロライン Lady Caroline バイロンは甘美な日々を詩集本に残す。
[ ポスター ]

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■監督・脚本:ロバート・ボルト

■キャスト
・Sarah Miles .... Lady Caroline Lamb(1785-1828, 旧姓Lady Caroline Ponsonby)
・Jon Finch .... William Lamb (ホイッグ党政治家・カロラインの夫)
・Richard Chamberlain .... バイロン卿(詩人)
・John Mills .... George Canning (政治家・ウィリアムの友人)
・Margaret Leighton .... Lady Melbourne(ウィリアムの母)
・Pamela Brown .... Lady Bessborough(カロラインの母・べスバラ伯爵夫人)
・Silvia Monti .... Miss Millbanke (メルボーン夫人の姪・のちにバイロンの妻に)
・Ralph Richardson .... 英国王ジョージ四世(1762年生まれ、在位1820-1830)
・Laurence Olivier .... ウェリントン公爵
・Michael Wilding .... Lord Holland(社交界の名士)
・Fanny Rowe .... Lady Holland
・Maureen Pryor .... Mrs. Butler (カロラインのメイド)
・Bernard Kay .... Benson(ラム家の従僕)
・Nicholas Field .... Harry St. John(ウィリアムの友人)
・Stephen Sheppard .... Sir James Buckham(ウィリアムの友人)
・Janet Key .... Miss Fairfax (カロラインの友人)
・Sonia Dresdel .... Lady Pont (ウェリントン公爵に甥の推薦に来た婦人)
・Charles Carson .... Potter (カロラインが呼んだ弁護士)


■Awards
英アカデミー賞(BAFTA)2部門ノミネート:助演男優賞(Ralph Richardson)、美術賞(Carmen Dillon)

■ロケ地
Chatsworth House, Derbyshire
カロラインは第五代デボンシャー公爵の姪にあたり、現在でもチャッツワースハウスには彼女の肖像画がかけられている。

主な登場人物について

    

カロライン・ラム Lady Caroline Lamb (1785-1928)

1785年カロラインは、アイルランド貴族の第三代Bessborough伯爵Duncannon 卿とその妻Henrietta Ponsonby(初代スペンサー伯の娘)の第三子として生まれる。母の体調が思わしくなかったことから、カロラインは母方のおば第五代デヴォンシャー公爵夫人ジョージアナ(1757-1806)に養育され、ロンドンにある彼女の屋敷デヴォンシャー・ハウスで過ごすことが多かった。このデヴォンシャー・ハウスは当時ホイッグ党の政治家がよく出入りしており、ホイッグ党の気鋭の政治家ウィリアム・ラムと出会ったのも自然な成り行きであった。ウィリアムとは17歳で結婚。カロラインがデヴォンシャー・ハウスの女主人の姪ということで、メルバーン伯爵夫人は政界でのし上がるためのコネを求めてむしろ積極的に息子とカロラインの縁談を進めたという。

ウィリアムは1806年に議員に初当選し、政界入りしたために妻を構う時間が取れなくなっていた。カロラインは二度出産したがひとりは死産、一人は精神に障害があった。バイロンと出あったのは27歳の時のこと(1812年)。カロラインはバイロンと会う以前にすでに『チャイルド・ハロルド』を読んでおり、ホランド卿夫妻のパーティーで初めて対面した。しかし蜜月はおよそ四ヶ月で終わりを告げ、バイロンが疎んじるのにもかかわらずその後四年間彼を追い続けた。結局、バイロンはウィリアムのいとこ(メルバーン夫人の姪)アナベラ・ミルバンク嬢と結婚する。カロラインは1816年に小説『Glenarvon』を、続いて1922年に『Graham Hamilton』、1823年に『Ada Reiss』を出版。 1925年、40歳でウィリアムと離婚。その三年後1928年に早世するが、死の床にはウィリアムが駆けつけたという。 ウィリアムがメルボーン子爵の称号を受け継いだのは、カロラインの死後。以後、再婚もせず政治の世界に邁進していった。

バイロン卿

■メルボーン子爵ウィリアム・ラム

William Lamb, Viscount Melbourne(1779-1848)
初代メルボーン子爵の嫡子とされているが、実際は母の浮気で出来た子どもらしい。カロラインとは1825年に離婚。 映画の中でも気鋭の政治家として描かれていたが、後に首相として政権をとることになる。

ヴィクトリア女王の信頼も厚く、ホイッグ党のメルバーン内閣(-1839)から保守党のSir Robert Peel内閣への政権交代が、女王の反対によって二年も空転したことが知られている。

アイルランド相の地位を打診される場面があるが、イギリスとアイルランドは「連合王国」としてひとつの国になったのは1800年のこと。まだまだ統治の難しい地域を治める大役だったことだろう。

Brocket Hall, Welwyn, Hertfordshire
初代メルボーン伯爵の妻(ウィリアムの母)は摂政皇太子(後のジョージ四世)の愛人で、皇太子もしばしばこのブロケット・ホールを訪れたという。皇太子からの贈りもであるレイノルズの絵画は、現在もthe Prince Regent Suiteと呼ばれる部屋に展示されている。のちに第二代メルボーン卿ウィリアムが首相の座にあった頃、ヴィクトリア女王もしばしばこの館を訪れた。サッチャー元首相も回顧録を書く際、ここに滞在したとか。

■ジョージ・カニング(1770-1827)

「女優の子に世道はわかりません」などと言われていたカニングも、後に首相の地位につくことに。
1812年以来15年間首相の座にあったトーリー党のリヴァプール伯爵が1827年に病気を理由に辞職したのをうけて、同じトーリーのカニングが組閣したが、不幸にも在任五ヶ月で急死してしまった。次のゴドリッチ内閣も五ヶ月と短命に終わり、1828年1月、ウェリントン公爵が政権につく。

□ウェリントン公爵

イギリスの対ナポレオン戦争の英雄といったら、1805年のトラファルガーの海戦で大勝利を収めたホレイショ・ネルソン提督(映画『美女ありき』 That Hamilton Woman(1941))と、1815年のワーテルローの戦いでナポレオンを破ったウェリントン公爵が名高い。

ウェリントン公爵ことアーサー・ウェズリーは、1769年初代モーニントン伯爵ガレット・ウェズリーの五男としてアイルランドのダブリンに生まれる。チェルシーのプレップ・スクールから名門パブリックスクールイートン校に進む。1781年父の死去に伴ってイートン校を中退し、ブリュッセルで軍人としての教育を受ける。「ワーテルローの勝利はイートンの校庭で勝ち取られたものだ」というパブリックスクール生活の苛烈さを表した有名な台詞は、彼自身がイートンで学んだことによるものか。
1828年1月、首相となるが、二年後の1830年9月に政権を投げ出す。

■二大政党:トーリーとホイッグ

当時のイギリスの二大政党は、トーリー(保守党)とホイッグ(野党)。

当時の社交界について

貴族や王室の社会では不倫や愛人関係もある程度許容されていたが、それでもカロラインのようなケースは問題になったようだ。

ウィリアムが母親にカロラインのことを話題にした場面:
ミルボーン夫人:「あの娘の母親も叔母も悪名高い売女だったわ。」
ウィリアム「私が知っている限り母上も二人の男の愛人になっていたよ。」

ミルボーン夫人もエグレモンド卿、ハートレイ、現在の国王ジョージ四世の皇太子時代・・・と多くの愛人関係を持っていた。それでいてカロラインの母(Lady Bessborough)の相手は酔いどれ劇作家と非力な急進党員だったと馬鹿にするのだ。

「母上は5年皇太子の妾をしていたのに得るものばかり。カロラインはたった一度の過ちで社会から脱落した」
カニングが首相となり、組閣にあたってウィリアムの入閣もほぼ確実となっていたのだが、国王に「カロラインと離婚しなければ入閣できない」と条件をつけられる。「政治家は妾も貧乏も許されるが、不貞な(notorious)妻は許されない」と。

注1:カロラインの母=第三代ベスバラ伯爵夫人ヘンリエッタ
注2:カロラインの叔母=第五代デヴォンシャー公爵夫人ジョージアナ(1757-1806)

ジョージアナは初代スペンサー伯爵とその妻Georgiana Poyntzの第一子。17歳のときに第五代デヴォンシャー伯爵と結婚する。ロンドンのデヴォンシャーハウスはホイッグ党の政治家たちの社交サロンの様子を呈しており、彼女の周囲には政治家たちの出入りが絶えなかった。

ジョージアナの友人エリザベス・フォースターは後に公爵の愛人となり、三人は25年もの長きにわたって一つ屋根の下で奇妙な三角関係を保っていた。1785年には二人揃って公爵の子を出産している。ジョージアナのギャンブル好きや浪費ぶりは有名で莫大な借金を作った。また彼女は第二代グレイ伯爵と愛人関係にあり、一子をもうけている。

映画のストーリー

19世紀初頭のイギリスは、ナポレオンの野望を、ウエリントンが、ワーテルローの戦いにくだいて、ヨーロッパの盟主であった。そうした国家のあり方が国民に反映しないはずはなく、中でも貴族社会の空気は嬌慢に酔って乱脈そのものだった。そんな頃、若い国会議員ウイリアム・ラム(J・フィンチ)とカロライン(S・マイルズ)が結婚した。だが、結婚式の日から、情熱的な妻と学者肌の夫の感情のいきちがいは、そこここに表われた。

そんなある日、カロラインは一人の男と運命的な出逢いをした。男の名はジョージ・バイロン(R・チェンバレン)。カロラインはレストランで食事を共にし、さそわれるまま、彼の部屋へ行った。落魄貴族で詩人だというこの男の正体を知りたくなったのだ。部屋には友人の首だというどくろと安いチェリー酒が一本あるだけだった。

わが家へ帰ると、ウイリアムは、カロラインがバイロンとレストランにいたことを知っていた。彼女の心を見抜いているようだった。が、とがめなかった。ほっと安堵の胸をなでおろしたものの、感情を表わさない夫の態度を物足りなく思い、悪魔的な詩人の顔が脳裡に浮かんでは消える。

数カ月後、バイロンは「チャイルド・ハロルドの巡礼」を出版し、詩壇の注目を一身に集めた。ホランド卿主催の舞踏会の夜、バイロンは四頭立ての馬車を借り、小姓姿の少年たちのたいまつを先頭に邸へ向った。彼らしい演出だった。彼をみつめる女たちの熱っぽい視線の中にカロラインのそれもあった。夜が明けて、広間には昨夜の歓楽の残り香がただよっている。その中をカロラインの肩を抱いてバイロンがすり抜けて行った。その日から、バイロンの行くところ、必ずカロラインがいた。

彼らの噂は社交界中にひろがり、人々の非難の的となった。

だが、しばらくすると移り気なバイロンは他の女に眼をつけ始めた。ウエリントン卿(L・オリヴィエ)の晩餐会で、カロラインはバイロンが女とたわむれているのを目撃した。晩餐を終え、談笑する男たちの前へ現われた彼女の右手に光るものがあった。カロラインの左手首にナイフがつきささる。とり押さえられ、運び出される彼女を見ながら、ウエリントンはつぶやく。「自殺は簡単だ、その気なら」。醒めた皮肉な男の目がそこにあった。激しかったカロラインの恋は深い傷あとを残して終った……。

ウイリアムはそんな彼女をやさしく迎えいれた。夫の愛の深さを知ったカロラインにとって、今では夫の心づかいだけが頼りだった。が、そんなある日、彼女は自分の存在が夫の昇進を妨げていることを知った。政治家は妾がいてもいいが、不貞の妻を持ってはならない……それが皇帝自身の意志でもあるという。

カロラインは再び馬を駆る。ウエリントンは彼女に忠告した。「夫を助けたいなら別れなさい」。カロラインは弁護士を呼んで離婚のための合意書を作らせた。ウイリアムは、その頃、突然家を出て行った彼女を探しあぐねていたが、すべてが行きちがいだった。嵐の夜、カロラインは吹きつける水滴と荒々しい木々の咆哮の中に音もなく倒れた。

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[ ゴシック ]  [ 幻の城 ]

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