Lovelace, Augusta Ada Byron
エイダ バイロン
( 1815/12/10~1852/11/27 )
エイダ・バイロンは、詩人バイロン卿と妻イザべラとの間に1815年12月10日に生まれた。彼女が生まれて間もなく、両親は離婚してしまった。エイダは1842年に死亡した父バイロン卿には生涯会おうとはしなかった。
バイロン夫人は数学の心得があったので、娘のエイダにも数学を学ばせ、1832年にエイダは数学の先生である Mary の紹介で William King (その後すぐにラブレス伯爵(the Earl of Lovelace)になった)と出会い、エイダとラブレスは1834年に結婚した。3人の子供をもうけ、恵まれた環境の中で、エイダは、子育てよりは、数学や社交界の活動に時間を費やした。そのため彼女の母親や使用人達が子供の面倒をみなければならなかった。
階差機関 Difference Engine ディファレンスエンジン
エイダは、1833年にチャールズ・バベッジ(Charles Babbage 1792-1871)(イギリス数学者最高の栄誉であるケンブリッジ大学ルーカス講座教授であった。現在のルーカス講座教授はホーキング博士)と出会った。
出会ってすぐに、エイダはバベッジの計算機械である階差機関(Difference Engine)に深く心を奪われてしまい、階差機関(Difference Engine)解析機関の開発に非常な興味を持ち、そして深く関わっていった。
この階差機関(Difference Engine)解析機関は実現することはなかったが、バベッジに協力し多くのプログラムを考案した。
そのことから、エイダを「世界最初のプログラマー」と呼ばれる。
なお、(単行本) ディファレンス・エンジンは、1855年のロンドンが舞台。エイダバイロン、ディズレーリや福沢諭吉など、登場人物のほとんどが実在の人物で、蒸気コンピューターが究極のプログラムを走らせ・・・幻想の超歴史小説です。
プログラム言語「ADA」
1974年にアメリカ国防総省は新しいプログラム言語にADA(エイダ)と命名
世界初のプログラマーであるエイダ・バイロンの栄誉を讃え、命名された。
このADAは、1980年代にアメリカ国防総省によって、納入されるプログラムの言語を統一して開発効率を上げるために作られた手続き型言語である。
ISOの標準規格にもなり、きびしく言語の仕様が定められた。
ちなみに、Windows95 OSR2 の透かしの人物は、このAda Byronである。
1836年 長男 Byron Noel 誕生
1837年 長女 Anne Isabella 誕生
1839年 二男 Ralph Gordon 誕生
1852年11月27日 子宮癌のため死去
父バイロン卿と同じ36年の生涯であった。
エイダ・バイロンを扱った映画
<1997年 ドイツ/アメリカ合作映画 85分>
デジタル・クローンをテーマに、記憶・生命の可能性に挑戦織する、19世記イギリス・現代のアメリカという二つの時代を越えた二人の女性の物語。
ストーリー
現代のアメリカ西海岸。記憶の遺伝学的伝達を研究するエミー(フランチェスカ・ファリダニー)は、恩師シムス(テイモシー・リアリー)から受け継いだDNA記憶拡張装置を使って、19世紀のイギリスに生きるエイダ(ティルダ・スウィントン)との交信に成功する。
エイダは、かの英国ロマン派詩人バイロン卿の娘であり、『フランケンシュタイン』の作者メアリー・シェリーの親友、そして人類最初のコンピュー夕ー・プログラマーでもあった。
19歳で伯爵夫人となったエイダは、結婚後も自由奔放に生きていくが、中でもチャールズ・バベッジとのパートナーシップは、後に現代のコンピューター理論の基礎である“ディファレンス・エンジン=解析機関”の発明を生み出すこととなる。
しかし、ヴィクトリア期のイギリスに女性として生まれたエイダは、3人の子供の子育てと自分の研究を両立することの出来ないジレンマに悩み、次第に賭け事やアヘンにのめり込んでいく。
研究に情熱を注ぐエイダの姿に、段々と自分の姿を重ね合わせていくエミー。
彼女は、アヘンによって心身を蝕まれ、今にも失命の終わりを迎えようとしているエイダに、クローンという技術によって自らの存在を後世に受け継いでいくことを提案するが…。